お父さんである啓三さんから店を引き継いだとき、顧客数は約5,000軒でした。高槻を中心に、お客様を41地区に分け、11人の営業マンが毎日汗を流して回っていました。毎月二十日ともなると、10人ほどのパートさんが、必死で伝票を整理し、請求書を作っていました。 「もう毎月戦争でした。必死でやってるんやけれど、やっぱりそれは人の手。まちがいがあるんですわ。もうこんなことやってられへんと誰でも思いますわなぁ」とは章さん。今でこそ酒販店向けのPOSシステムなどが普及し、手書きの請求書こそ少なくなりましたが、当時はまだまだすべて手作業の時代です。何とかしようと思いながらも、いかんともし難い経営者がほとんどであったその時代に、なんと章さんはオフコン導入を決意します。 (オフコン:オフィスコンピュータの略。主に業務用に利用される中型コンピュータのこと)
|